部屋

ある男がいた。陽も入らない一室にて、三匹の獣がうずくまる彼を取り囲んでいた。

自らが王であると勘違いするこの狼は、「弱きものここに在り! この者は自らの弱さを誇り、世界の歩みを止めんするものである。恥を恐れるがあまり、何か成すわけでも、努力をするわけでも、過去の過ちを反省するわけでも、過ちを繰り返さないようにするわけでもない。怠慢で、無知無能なこの者は断罪されるに値する! さあ十字架に貼り付けろ! 石を投げろ! この者に火を放て!」

姿だけで魅了するこの孔雀は、「あの部屋の角にある者を御覧なさい。まるで野原を駆けまわって泥だらけになった挙げ句、自らが汚れた存在であることはいざ知らず、疲れ果ててその姿のまま主人の部屋を穢す子犬か、あるいは自らがいた自然を忘れ、檻の中から人々に媚を売ることだけが上手になる猿にも似た愛らしさがそこにあるではありませんか。そしてまぁ! なんと見窄らしい身なり! なんと無作法な立ち振舞い! さぁ今すぐにでも動物園に入れ見世物としてしまいましょう、きっとこの者はすぐ人気者になるに違いございません。」

偽善の仮面を被ったこの梟は、「おぉこれはこれは、さては道に迷っておいでで――ここは私が道を指し示して差し上げましょう。ささ、こちらの扉をくぐり、そのまま真っ直ぐと進みなさい、途中で蛇に睨まれることもあるでしょうが、お気になさらず真っ直ぐと進むのです。さすればあなたは人里におりられ、良心と聡明さを備えた人々と、暖かな暮らしとともに、幸福な人生を歩むことができるでしょう。さぁ道は示されています、迷うことはございません。誰しもががそうしてきた通り、この幸福へと続く道を歩むことに、一体なんのためらいがありましょうか!」

三匹を言葉を前に、角で丸くなっていた彼は突如として眼を開き、立ち上がって言い放った。「我こそが貴様らを統べる王なり! 愚かなる不浄の獣どもは、自らが優れて、聡明であると確信するために、他者を貶めることでしか己の保ち方を知らないのだ。我は貴様らの飼い主、大いなる自然として、この躾を――とびきりの暴力を贈るとしよう!」

手に取った鞭を以て、狼の体を、孔雀の羽根を、梟の頭を打つ。飛び散る血飛沫や目玉と、耳を突き刺す悲鳴とは、彼の心を段々と躍らせる。鞭はしなやかに舞う幼き踊り手の如く、三匹を跳ねて飛び回る! 同時に、幾つもの戦を生き抜いた勇敢な剣士が振るうが如く、強く獣を打ちつける! 人間と獣による愉快な舞踏において、時間も、空間も、あらゆる概念はすでに消え失せた。そこにあるのはたった一つの優越――この獣どもを征服する、ただ優越のみ!

ふと気づけば、この獣たちは抵抗することをやめ、叩きつけるたびに、滴った血の音をたてる肉塊へと変わっていた。いつからこうなっていたのか、どれだけの時間が経っていたのかは知る由もない。ただ残されたのは、血肉の匂いと、相変わらず薄暗い、埃と黴が混雑とする一室だけだった。

こうして静けさを獲得した彼は、再びその部屋の端でうずくまることにした。人から忘れ去られた名もなき地とも思えるような隔絶された空間の中で、彼はこの静けさと、この部屋にあったであろう暴力との交互の中で生き続けていた。

2023/10/24